大学2年の夏。
私はイギリス短期語学留学&ホームステイ&フランス旅行に行ったことがある。
大学側が主催のため先生が引率すること、友達も数名も行くことで親を説得して行くこととなった。
初めての体験
初パスポート!
初フライト!
初海外!
全てが初体験!
期待に胸をふくらませながら準備。
ホームステイ先を決める資料の中には、食べ物の好き嫌いを書く欄があった。
私は生のトマトが苦手で…
生魚は英語でraw fishdだから、
raw tomatoes
なのかな〜、なんて友達と話をしながら。
お土産を買ったり、浴衣や茶せん(少しサークルで茶道を習っていた)もスーツケースに詰め込んで。
日本を飛び立つ日は着々と進んだ。
突然のホストファミリー変更
ヒースロー空港に到着した後、移動中のバスの中。
急遽私だけホームステイ先がかわったことを引率していた先生に告げられた。
えっ!
聞いてないよ!
予定していたホストが体調が悪くなったとかで。
おかげで不安MAXになりながら、左右に揺れるバスは合流場所へ向かっていった。
ホストファミリーと初対面
現地ではホスト達が待っていた。
オープニングセレモニー&オリエンテーションのあと、私や友達はそれぞれのホストに連れられてそれぞれの家へ消えていった。
新しいホストは長身の大きな黒縁メガネをかけた、もの静かな30代男性だった。
ちょっとジーンズが作業着っぽい感じ。
急だったので私だけあまり情報がない。
ホストファーザーと呼ぶには申し訳ない年齢。
私19歳。
彼は30代後半、多分。
話せるのかな〜。
車の中で緊張しながら、私はカタコト英語をしゃべってたのを覚えている。
この家族はグラハム、ナンシー、ナタリー、スチュアートの4人家族。
ナンシーはハイカラな細身のイタリア系イギリス人。
陽気な感じの元気なお母さんだった。
続いて中学生のナタリー。
この子はおませさんだった。
私はナタリーの部屋を借りることになった。
彼女の部屋の壁や天井は、推しと思われる上半身裸マッチョのアイドル男子たちの切り抜き写真やポスターであふれかえっていた。
目のやり場に困った。
私の着ていたパステル調のブラウスをいたく気に入ってくれたのも印象的。
ファッション、大好きなんだろうな〜って。
そう思って持参した浴衣をナタリーに着せてあげると、めちゃくちゃ喜んでくれた。
4、5歳のスチュワートは金髪の毛がクリンとなって、おめめがパッチリの男の子。
さらに歯が抜けてて、めっちゃキュート!
将来ハンサムになるって確信した。
歳の離れた弟ができたようでうれしかった。
彼は遠路はるばる来た日本人を当初はもの珍しそうに見ていた。
でも恥ずかしいのか、モジモジしていた。
それでも少しずつ近づいてくれて。
そんなこんなで短いイギリス生活がスタート!
イギリスの家庭料理
イギリスの家庭料理は豆が多かったのを記憶している。
ゆでたポテト(つぶす前のかたまり)ってのも多かった。
ご飯がないので物足りなかったが。
今でも忘れられない料理
このホームステイで一番インパクトのある料理がパスタだった。
私があの資料にトマト嫌いと書いたばっかりに…
スパゲッティミートソースはゆでたパスタの上にミンチの炒めたもの(トマトオフ)がのっていた。
この画像の赤のところは全て茶色と思ってもらいたい!
あとの祭りw
うまく英語で説明するすべもなく、そのまま食べたことは20年近く経った今でも忘れることができない一品となった。
ランチボックス
ナンシーはレッスンがある日は、お昼にタッパーのようなものを紙袋に入れて持たせてくれた。
揺らすと中がスキマだらけなので、個体がゴロンゴロン動く。
中には手作りのサンドイッチと小ぶりのグリーンアップル1個。
オレンジジュースもあったっけ。
日によってリンゴがプラムになったりバナナになったり。
どっかのCMのように、芝生の上であぐらをかきながら洋服でリンゴの皮をこすってかじった。
これがこっちのランチボックス、お弁当なんだ!
文化を感じた瞬間だった。
お礼にカレーライスをふるまった
お世話になった意味を込めて、最後の晩餐として日本食を作ってあげることに。
結論、カレーライスを作ることに決定。
その日の晩ごはんは作らなくてもOKと言った手前、あとにひけなくなってしまった。
重大ミッションに。
毎日レッスンに行く途中にスーパーを発見済!
お肉、野菜は買うとして。
日本からお米3合と念のためハウスのバーモンドカレー(甘口)と醤油は持参していた。
ギリギリまで肉じゃがも考えたけど、スーパーに薄切り肉がなかったのでカレーに。
もう一つリスクがあった。
そう!
行ったイギリスの家庭には炊飯器がない!
炊飯器のことなんかすっかり忘れていた。
たしかお鍋に水をはった時、手首までくるんだっけ?
昔そんなことをやった記憶がうっすらあり、ダメ元でトライ!
数10分後、なんとか炊けたのだ。
行き当たりばったりのチャレンジ。
おいしいとグラハムは言ってたけど。
お世辞なのかお仕事帰り待たせてしまい、お腹が空いてたのも重なったか。
まっ、これも懐かしい思い出。
イギリスの夏
日本と蒸し蒸しした気候と違い、イギリスの夏はカラッとした暑さだった。
もちろん日差しはまぶしい。
朝から照りつける太陽は強かった。
芝生のグリーンが鮮やかに映えていた。
イギリスの車庫事情
ホームステイしたところには車庫はなかった。
私のグラハムは車を家の真ん前にとめた。
住んでたところは同じようなサイズ感の家。
その前に縦列駐車をするんだけど、めっちゃくちゃうまい!
ナンシーも負けずにうまかった。
見渡すと、他のおウチの車も家の前に行儀よく並んでいた。
ここら辺は立地条件として縦列駐車がうまくなければ住めないと思った。
教習所で縦列駐車が大の苦手だった(今でも苦手)な私にとって、スゴイ技術だと思った。
イギリスでも迷子に
今も昔も方向音痴な私。
おかげでイギリスでもよく迷った。
だってイギリスの家って本当によく似てるんだもん!
おかげでこのフレーズはよく使ったわけで。
Where’s〜?
今のようにマップがあるわけでなく、ロンドン駅でも周辺でも迷った。
それでもカーブしたキュートなホームの壁を見たり、ダブルデッカーや公衆電話を見たり。
ポップでカラフルなイギリス。
坂道が多く大変だったけど、案外楽しんでた!
イギリスで忘れられない思い出
最大の思い出はスコットランドでのこと。
その日はエジンバラ大学の寮に泊まる予定。
その前にエジンバラ城周辺で観光をした。
なんとその際に友達とはぐれてしまったのだ!!!
幸か不幸か、おかげでパトカーに乗るという貴重な経験をすることに。
でもどこの寮に泊まるか控えておらず。
その資料はバスの中。
おまわりさんに日本人がその日泊まる予定の大学を調べてもらい、送り届けてもらう始末。
引率の先生は呆れていたのをうっすら覚えている。
おまわりさん、その節は大変お世話になりました!
ホストとの別れ
ホストファミリーが変わったっていった当初、ものすごく動揺した。
だけど帰り際、今回のホストでよかったと思えた。
ものすごく寂しかった。
あまり数多くは話さなかったグラハムには首のマッサージをしてあげた。
最後の日は朝が早いからと言われたのが最後だった。
次の朝、子供らも学校のためいなかった。
空港へ行くバス停まで各家のホストファミリーであふれていた。
泣いてるナンシーの姿がバスの窓から見えなくなるまで目で追った。
その場を離れても、鳴き声やすすり泣きが当分の間バスの中では消えなかった。
おわりに
イギリスの短期留学のお話はこれで終わり。
ほんの短い期間だったけど、行く前と行ったあとではかなり違う。
30年以上経った今でも鮮明に思い出されるのだから。
そこに住んでいる人の優しさだったり、空気感だったり…
現地に行かないとわからないものってあるよね。
行けるチャンスがある人はぜひおすすめしたい!
コメント